神々は黄昏

d:id:osamu666:20061120に引き続きワーグナーニーベルングの指環から神々の黄昏。フィナーレのビデオの別のバージョンがyoutubeにあがっていた。アントニオ・パパーノ指揮ロイヤルオペラ、演出はキース・ワーナー(東京の新国立劇場のリングの演出の人だ)

ブリュンヒルデが奥のよくわからないところに落ちていくのはシェローのみたいだなあ。こっちの方が火を派手に使っててきれいだけどなあ。とか思ってたらラインの乙女がいきなり服を脱ぎだして真っ裸になったので他のことはどうでもよくなった。三人とも下の毛もふさふさなのがいいと思った。

あとオペラで脱ぐと言えばリヒャルト・シュトラウスのサロメの「7つのヴェールの踊り」がありがちかなあと思ったらあった。

こっちはCatherine Malfitanoには失礼だが長い割にしょぼいな。

クラッシュ

面白かった。マグノリアやショートカッツみたいに何人もの人々の生活が短い時間の中でそれぞれに絡み合って行く。その絡み合い方は様々だけどこの作品が他の二つと違うところは人種の違いがキーになっているところと人々を正気に戻す天変地異が起こらないということだ。この映画の最後にもほんの緩やかな自然現象は起こるけど、それはすべてをご破算にするというほどのものではない。この映画で提示されているのは結局の所何も解決できないことばかりだから。人種は変えられないし死んだ人間は家に帰ってこない。でも解決できなくてもそれらは乗り越えることができる、こういった重苦しいテーマに対してそんな楽観的なメッセージを感じさせるのはいかにもアメリカ的だ。

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ニーベルングの指環

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Universal/Music/DVD (2005/10/11)

録音なら今ではわんさか出ているニーベルングの指環も映像となると普通に流通してるのはこのブーレーズ/シェローのほか、バレンボイム/クプファー、サヴァリッシュ/レーンホフ、レヴァイン/シェンクくらいですかね。NETFLIXにはブーレーズバレンボイムしかなかったのでブーレーズにしたんですね。これまでにもこの演出についてはいろいろ聞いたことがあった訳ですが、とりあえずみんな小汚い格好をしてて陰気ですね。演出というか舞台設定は、2006年においては特に斬新さは感じないなあ。当時はヴォータンがネクタイをしてるだけで革新的だったんだろうけど。
一番好きなのはやはり神々の黄昏の一番最後のブリュンヒルデの自己犠牲からフィナーレのとこなんですが、その部分はどうも音楽的にも演出的にも今ひとつ。音楽はあんまり盛り上がらないし、演出はなにやってんの?って感じだ、まあその場でみればそれなりに見られるのかもしれないけど、DVDなんかでみてしまうとちょっと滑稽だ。いわゆるワルキューレの騎行の場面もそんな感じ。でもその他のあんまり大掛かりな演出を要しないところはいいな。特にワルキューレの第3幕の終盤は音楽も含めていい。


そういえば東京の新国立劇場でやってたのはどうなったんだろう。引っ越してしまったのでワルキューレまでしかみられなかったけど、あれはとりあえず陰気ではなかったな。バカバカしいくらいの勝手な演出だったけど。

探してみるとyoutubeには3種類の指環のフィナーレがあった。バレンボイムのが音楽は盛り上がるけど最後の最後の演出が気に入らない。サヴァリッシュのはよくわからん。ラインの乙女も世界を浄化する炎も出てこない。レヴァインのがみてみたいなあ。

ブーレーズ/シェロー

バレンボイム/クプファー

サヴァリッシュ/レーンホフ

スターウォーズ

昔の3部作は見たことがあって、新しい方の3部作はなぜかエピソード2だけ映画館に見に行って「なにがなにやら」という風に思っていたんだけど1から6まで続けて観てみたらやっぱり面白いですねえ。つまるところ「愛故に! 人は苦しまねばならん! 愛故に! 人は悲しまねばならん!」訳ですねえ。でも1−3があることでどうしてルーク・スカイウォーカーが何であんなに魅力のないキャラクターだったのかがよくわかりましたね。結局あの人は脇役だったんですね。

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ブレードランナー

これも見たことなかったんだな。でもこれはいいな。なにをいまさらだろうけど実にマスターピースだ。ブルーレイだか新しい規格ででたらいつか買おう。あとレプリカントのロイのルドガー・ハウアーはカルロス・クライバーに似てるなあ。

ディレクターズカット ブレードランナー 最終版
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Shortcuts


ロバート・アルトマン監督。レイモンド・カーヴァーの9つの短編を一つの映画にまとめた作品。なのでいくつかの別々のストーリーが微妙に関連しながら同時に進行していく。一つのストーリーから別のストーリーへの転換のスピードが速いので全体は3時間だけどそんなに長さを感じない。でもそれぞれのストーリーの関係にあんまり必然性は感じられない。ある話の登場人物を別の話の登場人物と同じ人間にしました、という感じ。似たような形式の映画ではマグノリアのほうが私は好きだ。