ロスト・イン・トランスレーションをDVDで観た。
日本の景色はすでに懐かしいな。そういう感覚で観ると多分製作者の
意図とは違ったところで観ることになってしまうんだろうけど、日本
人だから仕方がない。話されている日本語が理解できてしまうという
時点でぜんぜん前提が違ってくるしね。でも楽しめたしいい映画だと
思う。
「これは日本人を差別的に観ている」とかいう人もちらほらいるみた
いだけど私はそうは思わなかったです。短期間滞在するだけの外国人
が感じる表面的な東京の雰囲気なんてまさにあんな感じなんでしょう。
テレビも含めてね。(その感覚で京都だとか生け花なんかが出てきて
しまうと日本人的にはいたく感じてしまうんだけどまあしょうがない)
結局のところ、アカデミー脚本賞のこの映画にしてみれば舞台が東京
であろうとどこであろうと大半の欧米人から観てエキゾチックであれ
ば大して変わりはないわけで。さらにいってしまえば主題はそういう
外部の環境ともまったくといっていいほど関わりはなく、主役二人が
個人的に抱える人生に対するぼんやりとした悩みをさらっと描いてみ
たという感じで、青春映画だね。ビル・マーレーはおっさんだけど、
何の答えも持ち合わせていないからな。

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・LとRの発音がどう違うのかというのがよくわかる。
・DVDのおまけの藤井隆のコーナーはちゃんとオチていてよい。
・しばらく前にある店に入ったら、はっぴいえんどの「風をあつめて」がか
かっていてすごく驚いたんだけど、これのサントラだったのね。