ミケランジェリ/ ショパンコンクールでのコンサート &　コード・ガーベン/ミケランジェリ

http://www.altaramusic.com/shopd.asp#8
http://www.altaramusic.com/shopd.asp#125

ミケランジェリが1955年のショパンコンクールに審査員として招かれたときに気まぐれで行ったコンサートのライブ録音が2枚。叩き売られているAURA盤の10枚組みのものとくらべたらはるかに音がいい。正規の録音のない曲や正規の物があってもそれより音がいい（シャコンヌとかパガニーニ変奏曲とか）。

しかし何よりも驚きだったのはこれが（多分）CDに焼くこと前提のダウンロード販売で売っていることだった。losslessのWMVで一枚5ポンド。イギリスから輸入するのに比べたらずっと安くて早い。早いといっても2枚分ダウンロードするのに一時間くらいかかってしまったけど、itunesみたいなビットレートだったらCDを注文しただろうなあ。

ちなみにこのときのショパンコンクールで、ミケランジェリの推したアシュケナージが多くの審査員の推したアダム・ハラシェビチに負けたため、ミケランジェリはその場で怒って帰ってしまったのは有名な話ですね。奥さんによると自分が16歳だったころの演奏に似てたからアシュケナージを推したそうです。その後ミケランジェリはアシュケナージへの評価を取り下げたようですが。

altaraというレーベルですが、そのページにある元CBSのプロデューサーPaul Meyers氏のコラムでミケランジェリがDGとの契約を打ち切ろうとしているという話を聞いてCBSで契約を取りにいこうとした時の話が書かれていてなかなか面白い。

http://www.altaramusic.com/html/news1.html

The maestro was accompanied by an attractive young woman who, as his ‘personal manager’, planned to do most of the talking. There were times when it was hard to stop her, especially as she had a very long ‘shopping-list’ of extravagant demands. Would I sue various record companies, especially one based in Japan, for issuing pirate copies of his records? Would I provide two first-class airline tickets to any destination in the world, so that he could try out a Steinway piano if one came to his attention? If he were happy with any piano, would I purchase it on his behalf? Advance fees, royalties and the normal fare of a record contract were hardly mentioned at that point.

（前略）ちゃんと海賊盤の会社を訴えてくれますか？特に日本にあるやつ！（後略）

カルロス・クライバーの海賊盤に対してだけは寛容な態度とは大違いだ。クライバーとミケランジェリのベートーヴェンの協奏曲録音プロジェクトが失敗したことなんかも詳しく書いてあるこの本はミケランジェリが好きな人は必携。