Folklore

身体障害者用駐車スペース アンディ・ハーツフェルドによる*1

スティーブ・ジョブズはアップルにおいて最も思慮深い人物ではありませんでしたし、それを明らかにするような振る舞いをたくさんしていました。最も誰の目にも明らかだったのは、身体障害者用の駐車スペースに車を止めることでした。どうも青い車いすのマークが彼には会長(Chairman)専用の駐車スペースに見えていたようです。


身体障害者用の駐車スペースに大きなベンツが停まっているのをみれば、それは明らかにスティーブの車だということがわかりました。(さらに彼には他にもナンバープレートを外しておくという習慣があったので間違えることはまずありませんでした)そのせいで、誰かやったのかはわかりませんが、スティーブの車に車のキーなどで傷が付けられるというトラブルは時々起こっていました。


ある日、パリからクパチーノに異動してきたアップルの役員、ジャン=ルイ・ガゼーは車を駐車場に止めてアップルのメインオフィスに向かって歩いていたところ、シルバーのベンツに乗ったスティーブがガゼーのそばでクラクションを鳴らして、オフィスの正面にある身体障害者用のスペースに車を止めました。


スティーブがガゼーの横を声をかける訳でもなく通り過ぎて行くとき、ガゼーは誰にともなくこういったそうです。「ああ、あのスペースが感情的に障害のある奴のためのものだとは気づかなかったなあ*2

    • -

1983年10月のある日、クパチーノ警察から私のアップルでの職場に電話がありました。「アップルの身体障害者用の駐車スペースにベンツが停められてるという通報を受けまして、車を向かわせましたが、身体障害者用のスペースが正しく設計されていないので停められているベンツをレッカー移動することはできません」


私は彼が何を言ってるのかさっぱりわかりませんでした。数時間後にわかったのですが、超いたずら好きのスティーブ・ウォズニアックが私の名前と電話番号を使ってクパチーノ警察に違法駐車しているベンツのことを通報したのでした。ウォズがもういちどこのいたずらをする時のために私はアップルの総務に駐車場の設計が間違っていることは伝えませんでした。

原文へのリンク


*1:ただしこの中のエピソードについてはハーツフェルドも他人からの伝聞でしかしらないため本当にあったことかどうかは不明。

*2:"Oh, I never realized that those spaces were for the emotionally handicapped..."