ウェブ進化論
去年嫌になるくらいにウェブで目にした、梅田望夫による「ウェブ進化論」をいまさらながらに読んだ。まあ新書だし、想定してる読者は40−60代?のおっさんであろうことから目新しいことが書いてある訳ではないなあ。個人的にはgoogleは便利だし、もしこのサービスがなくなったり、有料になることがあったりしたらすこし困ると思うけど、この本の中での評価も株価としての評価もちょっと高すぎるんじゃないかなあと思う。多分それはgoogleの富の源泉であるところの広告システムでの恩恵を受けたことが無いせいだろう。そういう消費行動をしていないだけかもしれないけどAdsenseででてくる広告をクリックすることってまずないからなあ。
googleがここまでの位置を占めることができたのは創業者のSergey BrinもThe number one success factor for Google was luck.*1といっているように競合するはずだった他の検索エンジンが検索精度において劣っていた?(citation needed)のもあるんだろうけどgeekチックなシンプルなインターフェイスだとかキーワードをハイライトするだとかちょっとした工夫が他のサイトよりも少し使いやすかったというのがユーザーを獲得するために有効だったんじゃないかなあと個人的には思うんですね。その辺での努力を他の検索エンジンが怠っていたのが運かなあと。googleがwisdom of crowdsを利用しているというよりもwisdom of crowdsがgoogleを選んだという訳ですね。その辺はipodの成功に似ているような気がするな。機能的にはほとんど同じか部分的には優れている競合製品がありながらもちょっとしたデザインや操作のシンプルさの差で圧倒的な支持を得てしまって、今となってはどこまでが本質的に優れていたのか運だったのかわからなくなってくるという点で。
ということでgoogleを強力に礼賛するのにはすこし懐疑的なのでした。もうすこし直裁的に言ってしまうと46歳のおっさんにできるのは現状を追認することだけなんじゃないの?ということかもしれないが、それは妙に評判のいいこの本に対するwisdom of crowds的に健康的な姿勢だ。